2011.5.15(2)

『神の栄光のために生きた奇跡の人』

 大和秀雄兄は、5月9日(月)の夜10時14分頃に、神の愛に包まれて、天の御国に凱旋されました。まさに安らかな神の平安に満たされた召天の出来事でした。
大和兄の生涯は「奇跡」という一言に尽きると思います。1939年5月6日、重度の障害を背負って生まれた兄弟は、誰もが長生きできないだろうという予測をはるかに超えて72年間の生涯を元気に生き抜かれました。また、ご自身が身をもって体験された社会的差別に対して、弱さを背負いながらも差別撤廃や平和運動の先頭に立ってひたすら走り続けられた奇跡の人でありました。
人の助けがなければ生きていけなかった大和兄は、むしろ人を助け、人を勇気づける日々を過ごされました。どれほど多くの人が大和兄によって励まされ勇気づけられたことか。聖書のお言葉通り、大和兄は弱さの中で働かれる神の愛の強さを生きられた奇跡の人であったのです。
わたしが富山に牧師として赴任して間もない頃、大和兄は次のような証しをしてくださいました。“わたしは自分が障害者として生まれたことと、社会的差別を受ける現実の中で生きる希望を失っていた。しかし、ある日「あなたが障害の弱さをもっているのは、神の業があなたを通して現れるためである。」という聖書の話を聞いてから自分の弱さを受け入れるようになり、自分の弱さは神の失敗でなく、神の栄光が現されるためであることを信じるようになった。その日から自分の人生は変わった。”という証しでした。
 大和兄は小泉町教会の歴史における証人であって、小泉町教会の象徴的な存在でした。祈祷委員長として教会を支え、毎週どんなことがあっても車椅子に乗って礼拝を守られました。2年前からは車椅子に乗ることもできず、ベッドに寝た切りの状態が続き、毎週守っていた教会の礼拝に出席できなくなっていても、大和兄は“わたしはイエス様の約束された天国に行くから不安はない。”と笑顔で語られていました。
今、大和兄は、主イエス・キリストの天の御国の輝きに照らし出されて、兄弟が地上で望んでおられた、差別も、涙も、争いも、戦いもない真の平和と愛の中に生きておられることでしょう。また、地上に残された愛するご家族、親しかった人々のために、世界の平和と愛のために祈り続けていると信じています。
 大和さん、本当にありがとうございました。また、ご苦労さまでした。あなたと共に過ごせた日々を心から感謝します。天の御国でまたお会いしましょう。
                            牧師 閔 丙俊