2012.4.8イースター礼拝

『 復活の証人になる 』(使徒言行録2:23〜32)
 イースター、おめでとうございます!!!
 先週一週間、わたしたちはイエス・キリストの十字架の苦難の道を辿りながら過ごして参りました。イエス様の十字架は他でもなく、わたしとあなたを罪と死から解放してくださるための愛のしるしであったことを感じることができました。そして今日、その罪と死をうちやぶって復活なさったイエス・キリストをお祝いするイースター礼拝を迎えることができたのです。
 本日与えられた聖書の箇所は、イエス様の復活を目撃した証人であるペトロが、復活から50日後のペンテコステに行ったイエス・キリストの復活についての証言の場面です。「しかし、神はこのイエスを死の苦しみから解放して、復活させられました。」力強く信仰と希望に満ちたメッセージを語るペトロの姿が見えます。
 ところが、今日の力強い説教者ペトロの50日前の姿は、臆病者の姿でした。捕えられたイエス様の苦しむ姿を遠く離れたところで見つめるペトロ、人々の前でイエス様を3度も知らないと嘘をつき、やがては鶏の鳴き声に激しく涙していた人がペトロでした。しかし、そんな臆病者ペトロが、今日は数千人の大群衆の前で力強く説教をしています。何か周りの状況が変わったのでしょうか。いいえ、それほど状況は変わっていませんでした。聖書はこの後すぐに、イエス様の弟子ヤコブが首を斬られて殺されたり、執事ステファノが石打ち刑で殺されたりしていたことを記していましたから。…ですから、大勢の前でイエスはキリストであって、救い主である!と説教することはとても危険な行為でありました。
 それでは、何が臆病者ペトロをこのような勇気ある者に変えたでしょうか。それは言うまでもなく、ペトロ自ら死から復活なさったイエス様を確かに見たからです。イエス様が以前から教えておられた復活の約束は嘘ではなかったし、復活は真実であって、わたしの身にも起きることである!という確信のもとでペトロは変えられ力強く宣教する証人に変えられたのです。
 復活の出来事は人を変える力そのものです。弱虫であった人を、強力な戦士に変え、失敗に落ち込んでいた人たちを新しいチャレンジへと導くのです。まさに逆転の人生が始まる劇的なドラマ、それがイエス様の復活だったのです。この側面から見て見ますと、イエス様の復活の物語はイエス様の復活ということと同時に、弟子たちの復活の物語であると言えるでしょう。
 わたしたちは人生の中で様々な「死」を経験します。しかし、イエス様の前では「死」は終わりではありません。むしろ死んで初めて、命が分かりますし、死んで初めて、復活が分かるのです。そして復活を通して、わたしたちは永遠を生きる者に変えられるのです。ハレルヤ!