2012.12.16

 クリスマスの日にある教会の鐘が神に喜ばれる捧げ物をした人があった時にだけ鳴り響くという言い伝えがあった。たくさんの人々が自分のものこそ神の御心にかなうだろうといろいろな捧げ物をもって集まった。でも鐘は鳴らない。大金持ちが大きな高価な物を捧げた。人々は今度こそは鐘は鳴るだろうと囁いた。けれど鐘は鳴らない。一番後に教会に来て後ろの方で小さくなっていた幼い兄妹がいた。教会に来る途中、貧しい人、困っている人たちに用意したお小遣いをみんなあげてしまったこの兄妹が「私たちは何も持っていません。でも何でも神さまのご用をしたいと思います」と祈った。するとどうだろう。その教会の鐘は大きく高らかに清らかに鳴り響いた。「心の貧しい人たちは、幸いである。天国は彼らのものである」(マタイ福音書5:3)
                   −山北宣久師の「愛の祭典」の中から−