2013.2.10

『 喜びに溢れる旅 』(使徒言行録8:26〜40)
 今日の聖書には一人の旅人の姿が紹介されています。
 聖書が紹介する旅人の名前は定かではありませんが、彼はアフリカのエチオピアの女王の信頼を得ていたその国の高官であり、「宦官」であったということが分かります。そしてもう一つ、彼は「エルサレムに礼拝に来て、帰る途中であった」(27節)と書いてある通り、異邦人でありながら、真剣にイスラエルヤハウェの神を求めていた人でありました。当時のエチオピアという国はエルサレムから約1500kmほど離れた所にありました。そんな遠くから、彼はイスラエルの神を礼拝するために来ていたのです。彼がどこでイスラエルの神を知ったのかは分かりませんが、彼は真の神を求め、真の救いを求めてエルサレム神殿にまで来て、神を礼拝し、帰国の旅路についたのです。しかし、律法によると、彼は異邦人であり、しかも宦官であったので、イスラエルの民と一緒に神を礼拝することは許されなかったはずです。恐らく、神殿の隅っこで一人寂しく時を過ごしていたことでしょう。それでも彼は神を礼拝できたことだけで喜び、満足していました。私たちはエチオピアの宦官の姿から礼拝する者の思いと神を求める者のあるべき姿を教えられます。
 彼の素朴で真摯な信仰の姿勢に神も感動されたでしょうか。聖霊はフィリポを彼のために遣わされます。彼は、フィリポを通して「苦難のしもべなるイエス・キリストについて、福音について」教えられ、彼は早速バプテスマを受けることになります。真に神は「神と救いを慕い求める一人の心貧しい者」を救うために、フィリポを遣わし、御心を教えてくださったのです。これこそ、主を慕い求める人に与えられる恵み、救いの喜びなのです。・・・一人の旅人はその後も旅を続けます。しかし、主イエスを救い主と信じ、新しく生まれ変わった彼は「喜びに溢れて」(39節)旅を続けることになります。あなたの日々の旅も「喜びに溢れる旅」となりますように…。ハレルヤ!