2015.2.22

〜映画「戦争と平和」〜 
 ナポレオンのフランスと帝政ロシアの戦いを描いた小説「戦争と平和」をソビエト連邦の時代に映画化した大作を、映画会社「モスフィルム」がインターネット上に公開しています。
 この映画の中で、ロシア軍の陣地で行われる礼拝の場面に心を打たれます。鐘を鳴らし、讃美歌を歌いながら、式服を着た礼拝の奉仕者たちがやってきます。そこに大勢の兵士たちが走って集まり、主に祈りを捧げます。汚れた軍服の人、傷ついて包帯をした人、あとからあとから駆けつけます。士官も兵卒も一緒にひざまずきます。日焼けした顔、ヒゲを生やした顔、血や泥のこびりついた顔、どの顔も目はうるみ、唇は祈りに動きます。カメラは上空へ移動し、日が落ちゆく中、何万人にも膨れ上がっていくその群れを映します。
 彼らは徴発され、指揮される方向に銃を撃ち、どこからか飛んできた銃弾で死にます。彼らは主の前で何を祈ったのでしょうか。人の大いなる罪の闇に呑まれていく彼らには「主よ!」以外の想いは出てこなかったのでは、と思います。
 このような映画がソ連の体制下でも作られかつ残されたのは驚くべきことです。神がそこに働かれたと思えてなりません。特定の悪人によらず人類全体に働いて戦いを起こす悪しき力を重く感じ、罪の闇の中で祈る人々の切なる想いを愛しく感じます。感動を主に感謝し、悪しき力への勝利と平和を祈ります。
                  S.M 姉