2011.12.4

『 平和の橋、イエス・キリスト 』(エフェソの信徒への手紙2:14〜22)
 人はいつも壁を作って生きています。自分が作る壁もあれば、自分も知らないうちに作ってしまう壁もあります。最初に壁を作るときには、その壁が自分を守ってくれると思って作りますが、時間と共にだんだんとその壁に閉じ込められてしまう自分に気づくようになるでしょう。
  聖書は、人が作るその壁こそ「罪によって」できてしまった壁だと教えます。
イザヤ書59章では、「主の手が短くて救えないのではない。主の耳が鈍くて聞こえないのでもない。むしろお前たちの悪が/神とお前たちとの間を隔て/お前たちの罪が神の御顔を隠させ/お前たちに耳を傾けられるのを妨げているのだ。」と主なる神の切なる叫びが記されています。
 今日の御言葉でイエス様は壁を取り壊すお方として紹介されています。
「実に、キリストはわたしたちの平和であります。二つのものを一つにし、御自分の肉において敵意という隔ての壁を取り壊し、規則と戒律ずくめの律法を廃棄されました。」(14、15節)―男と女、義人と罪人、健康な人と弱い人、エルサレムサマリアユダヤ人と異邦人・・・、イエス様は個人や群れ、共同体の関係の間を歩まれながら、ありとあらゆる壁を取り除く生涯を生きていかれました。そして、点であった人たちを線へと、また、面へと繋いでくださったのです。どうしても一つになれないような人たちを出合わせ、一致の心を与えられ、今まで知らなかった互いの尊さと美しさに気づくように導いてくださいました。イエス様は十字架上でご自分の体を裂いて人々をつなぎ、命の息吹を与え、和解の素晴らしさを示してくださったのです。
 アドベント2週目、今日は主の晩餐式を執り行ないます。主の晩餐はイエス・キリストのお体と血潮を互いに分け合う中で、キリストの体の各部分としての本当の和解と一致を確認し、互いを隔てていた壁を打ち壊して、イエス・キリストによる真の平和と愛を実現する時です。ハレルヤ!