2011.12.18

 『 あなたは歌えますか 』(ルカによる福音書1:38、46〜55)
 クリスマス物語の中に登場する人の中に、最も輝く人とすれば、やっぱりマリアではないかと思います。今で言えば、15歳前後の少女が神に選ばれ神の子を産むという歴史上唯一の出来事の主人公でした。聖書は天使ガブリエルを通して素晴らしい言葉をもってたたえています。「おめでとう、恵まれた方。主があなたと共におられる。」(27節)
 御使いが「あなたはみごもって男の子を産みます。」と告知されたとき、マリヤは戸惑いました。「どうしてそのようなことがありえましょうか。わたしは男の人を知りませんのに」と。この反応は不信仰の表現というより、突然の出来事への当然の驚きの問いであったでしょう。しかし、天使から「聖霊があなたに降り、いと高き方の力があなたを包む。・・・神にできないことは何一つない!」という言葉を聞いた後のマリヤの驚くべき言葉に注目すべきです。「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように。」(38節)。人の頭の知識や理性では理解できないことであっても、“聖霊が働けばすべてが可能であります。お言葉とおりなりますように!”という信仰をマリアは告白しているのです。
 この後続くのが今日の「マリアの賛歌」です。今日わたしたちはアドベントにおける賛美礼拝をささげていますが、ぜひマリアの賛美の姿に目を向けたいと願います。人間的な目から見たら、これから彼女の身に起こり得るだろう様々な出来事を考えると到底賛美する気にはならなかったはずです。しかし、彼女は歌います!しかも、彼女の歌には不安や恐れなど否定的な雰囲気は感じられません。むしろ、堂々とした告白をもって神を賛美し、神への信頼から来る平安と確信で溢れていることが分かります。今あなたはどんな問題を抱えているでしょうか。希望の光は見えていますか。暗闇に包まれていませんか。しかし、歌いましょう。神の御手があなたの上に置かれています。ハレルヤ!