2012.2.5

『 神の国の食事への招待 』(ルカ福音書14:15〜24、申命記24:17〜22)
 今日の旧約聖書申命記には、神の選ばれた民が忘れてはならない、とても大切な責任について教えています。それは、当時のイスラエル社会において、弱い人々への責任を果たすことでした。“寄留者や孤児の権利をゆがめてはならない。寡婦の着物を質に取ってはならない。・・・”(申命記24:17)
 聖書をよく読むととても興味深いことに気づきます。“寄留者、孤児、寡婦”という言葉が聖書全体を通じていつもセットになって多くの場面で登場するということです。ここで、「寄留者」とは在留異国人のことですが、“寄留者、孤児、寡婦”と言ったイスラエル世界における最も弱い存在のことを指しています。特に、預言書においても必ずと言っていいほど、“寄留者、孤児、寡婦”が登場します。神はこれらの人たちを通してわたしたちに何を語ろうとされているでしょうか。聖書はそれを、終末において主なる神の目がどこを向いているのか、神の国において何を大切にしておられるのかを見ることができるのです。即ち、これらの弱い存在こそ、終末の神の国を迎えるためのわたしたちへの祝福の道へのプレゼントとなるのです。
 ルカによる福音書14章には、神の国についてのイエス様のたとえ話が紹介されています。“ある人が盛大な宴会を開いて、大勢の人を招いたけれども、招かれた招待客から次々と断られ、やがては最初には招待されなかった人たち、貧しい人、体の不自由な人、目の見えない人、足の不自由な人たちが招かれます。そして、最後には、無理にでも、通りや小道に出て行き人々を連れて来て、宴会の席をいっぱいにしようとする”神の御心が紹介されている箇所です。
 神の国の祝宴には、どんな人でも招かれていることを知るべきです。その中でも、神の目は、普段わたしたちが忘れているような人たちに向けられていることです。そのような人たちを捜し出し、手をさしのべ、ともに神の国の祝宴にあずかることを勧めることです。それこそ、終末の時を過ごしているわたしたちへの神からの切なるメッセージなのです。ハレルヤ!