2012.2.19

『 アナニアを求む 』(使徒言行録9:10〜19) 
 今日の中心人物はアナニアという人です。アナニアという名前は“神は情け深い”という意味で、彼はダマスコにあるクリスチャングループのリーダーでありました。恐らく彼はエルサレムの教会が迫害にあったことを知っていたでしょうし、ステファノ執事の殉教のことも、また、ダマスコにいる人々をとらえるために迫害者たちがやってくることも、その迫害者の先頭に立っている人がサウロという人であることも知っていたことでしょう。そんなアナニアのところに神が訪ねられ御声を語られます。“あなたは行って、見えないサウロの目を見えるようにしてあげなさい!”と。アナニアにとっては驚くべき知らせでした。そこでアナニアは今まで聞いていたサウロについての噂をもってイエス様に訴えます。サウロがいかに悪い人で、神の福音の業を妨げ、クリスチャンたちを迫害してきた敵であるのかを!
 しかし、イエス様はご自身の業を妨げ、刃向っていたサウロを、神の国のための働き人としよう決心されました。ここでわたしたちは聖書が教えてくれる「神の驚くべき想像力」を見ることができます。神は無から有を創造されるお方、神の業は常に人の思いをはるかに超える神秘そのものであります。今まで敵であった人、反逆していた人を神は選ばれ、御業を成し遂げられる器として用いられるのです。
 アナニアに求められるのは神のご計画への従順と信仰。だからと言って、神のご計画をすべて理解したわけでもありませんし、サウロという迫害者への恐れが消えたわけでもありませんでした。しかし、アナニアはイエス様の約束の言葉にすがります。これが信仰です。信仰とは、たとえ理解できない現実を前にしても、神様が立てられたご計画に対して「アーメン」と応える行為です。神様の御心はわたしたちの思いと違い、神の道はわたしたちが行こうとする道と違う!ということを認めることから新しい歩みが始まるのです。
 アナニアはサウロを捜し出します。そして彼の上に手を置いて「兄弟サウル!」と温かく受け入れます。そのアナニアの愛の働きによって偉大な伝道者パウロが生まれることになったのです。小泉町教会にもアナニアのような働き人が求められます。ハレルヤ!