2012.3.11

 ジャン・バニエ先生が、(カトリック神父、知的障害者のラルシュ共同体創立者)ある日、子どもたちの精神病院を訪れた際、感じたことをこのように書きました。
・・・「重い障害をもった子どもたちが何百人も、誰にも世話されずに、寝台の上に横たわっていました。そこには、死んだような沈黙がありました。誰一人として泣いていなかったのです。世話をしてくれる人が誰もいないこと、自分の叫びに誰も答えてくれないことが分かると、もう子どもたちは泣きません。無駄だからです。わたしたちが泣き声を出すのは、誰かが聞いてくれそうな場合に限られるのです。・・・」
 泣くごとをあきらめてしまった子どもたちの姿が、今現在の日本社会と人々の姿かもしれません。誰も聞いてくれない現実の中で、泣くことを忘れて一人寂しく時を過ごす人々、そして、泣くことを忘れた日本社会ではないでしょうか。
 十字架を背負われたイエス様は泣きながらついてきていた婦人たちにこう語られました。エルサレムの娘たち、わたしのために泣くな。むしろ、自分と自分の子供たちのために泣け。」と。・・・愛する皆さん、今は泣く時です。被災地の方々のため、日本の国と民のため、涙をもって叫び求める時なのです。シャローム