2012.4.22

『 終わりの願い 』(Ⅱコリントの信徒への手紙13:11〜13)
 コリント教会は、たくさんの問題を抱えていた教会でした。信仰的問題もさることながら、内部分裂、信徒同士の対立など、初代教会の中でコリント教会ほど開拓者のパウロを悩ませた教会はありませんでした。そんなコリント教会にパウロは心を込めて、激しさと切なさをもって手紙を書いています。
 パウロは手紙を閉じながら、「終わりに」という言葉をもって、最後の心の願いを表しています。手紙の終わりに書く言葉にはそれを書いた人の願いが込められますし、話をする人においての終わりの言葉には、もう一度確認したいこと、お願いしたいことが語られることでしょう。何よりも、死を迎えようとする人の、残された人々への遺言ほど重さのある終わりの言葉はないでしょう。人生の最後の息を振り絞って語る一つ一つの言葉には、その人自らが言葉になると言っても過言ではないかもしれません。
 コリント教会へのパウロの手紙の終わりに告げる5つの願いがあります。
①喜びなさい。②完全な者になりなさい。③励まし合いなさい。④思いを一つにしなさい。⑤平和を保ちなさい。・・・これら5つの願いは、コリント教会だけでなく、今を生きるキリスト者と教会共同体においても最も基本的な信仰の生き方となるでしょう。また、これらは "教会の成長と成熟"と関係する教えでもあります。当時のコリントの教会は様々な問題において信仰生活の土台とすべきこれらのものを失っていました。パウロはキリストの体の各部分を成す一人一人がイエス・キリストとの救いの関係を回復し、信仰の原点に立ち帰ることで健康なキリストの体を造り上げることができると教えているのです。
 本日は2012年度の総会が開かれます。この一年、イエス様の願いはどこにあるでしょうか。共にキリストの健康な体作りに励みながら、主の願いに応えられる神の家族でありますように祈ります。ハレルヤ!