2012.11.4

『 何を見ていますか 』(使徒言行録9:10〜19)
 本日与えられた使徒言行録の本文にはキーワードとなる言葉があります。“元どおりに目が見えるようになった”という言葉です。(12節、17節、18節)イエスをキリストとして信じる人たちを捕らえるためにダマスコに向かっていたパウロは復活されたイエス様に出会い、イエス様の光に照らされ、突然目が見えなくなります。この出来事はパウロの人生をひっくり返すものでありました。まさに、今まで真理と見てきたことが偽りとなり、今まで偽りと思っていたことが真理と変わるという人生の大変革を経験することになったからです。
 聖書は「見る、見える」という言葉のもつ意味をとても大切に扱っています。パウロが今まで見てきた世界は、律法主義と伝統に価値観を置く世界でした。ですから、自分自身の目で見てきた世界だけが素晴らしいものであって、自分が中心となって生きてきた世界でした。しかし、イエス様の光に照らされることで、今まで見てきた世界が暗闇と変わりました。どこを見ても光が見えてきません。皆さんはいかがでしょうか。あなたの生きてきたこの世界と日々の生活が突然暗くなり、何も見えないようになってはいませんか。光を見出したいけどなかなか見いだせない現実の暗闇を生きているのかもしれません。
 パウロは神の恵みによって、元どおりに目が見えるようになります。しかし、新しく見えるようになった彼の目は、もう以前の目ではありませんでした。今まで求めてきた律法主義、伝統と言ったこの世の価値観のウロコが落ちた目で見る世界、また、見える世界は全く新しい世界に変わったのです。
 キリストの光に照らされると、私たちの目は変わりますし、見える世界も変わります。人生の真の主人に出会ったその時、私たちの目から罪と偽りのウロコが落ち、真実と本物を見る目が与えられ、各自、パウロのように、神の国と神の義のために生きる新しい使命と生き方が与えられるはずです。今、あなたは何を見ていますか。ハレルヤ!