2014年3月2日

『  内なる人よ! 』        Ⅱコリントの信徒への手紙4:16〜18

 聖書は私たちキリスト者の人生の目的を「イエス様に似た者になること、主と同じ姿に変えられること」であると教えています。聖書が言っているイエス様と同じ姿に変えられるということは、決して肉体の目に見える姿を言っているわけではありません。パウロは御言葉の中で私たち人間を、「外なる人」と「内なる人」に分けて説明しています。ここで「外なる人」とは目に見えるわたしたちの肉体を表します。時間が流れれば段々としわができ、衰えて、醜くなってしまうのが「外なる人」です。しかも、この衰えは、人間の力ではどうすることもできないことであるし、しかも、その衰えは現在進行形であることをパウロは教えているのです。
 その反面、私たちはもう一つの側面をもっていることをパウロは示しています。それは、目に見えない「内なる人」のことです。「内なる人」とはイエス・キリストの十字架の贖いの業を通して新たに生まれ変わった魂のことを表します。そして、「内なる人」は日々御言葉と聖霊の働きによって成長していく存在であり、この「内なる人」によってわたしたちは日々イエス様に似た者として変わっていくのです。
 パウロは、キリスト者が生きていく中で味わう、歳月の重ね、様々な試練、病、艱難があって、わたしたちの「外なる人」は傷だらけになり衰えていくけれども、イエス・キリストによって新たに生まれた「内なる人」は日々イエス様との交わりを通して、また御言葉の命をいただいて永遠の命への旅を続けることができるのです。そうです。内なる人は、永遠を見あげながら、天国の希望と平安を今、味わうことができるのです。わたしたちがいくら年をとっていても、もう死が近いと思われても、わたしたちからこの内なる人の神様との交わり、日々新たにされる永遠への希望、その喜びを奪うことはできません。むしろ今日のパウロが語っているようにわたしたちは日々新たにされ、永遠の栄光を生きることになるのです。
 神の家族の皆さん、私たちの「外なる人」の弱さを覚える時こそ、「内なる人」が強められる時であって、成長していく時間だと覚えましょう。“内なる人よ、あなたは健康ですか。”