2014.3.30

『 成長が見えますか 』(マルコによる福音書4:26〜34)
今日イエス様は、2つの譬えを用いて神の御心を教えてくださいます。
まず、「知らず知らず成長する種」の譬えですが、これはマルコ福音書だけに書かれている内容で、“ある農夫が種を蒔いて、夜昼、寝起きしているうちに、種は芽を出して成長するが、どうしてそうなるのか、その人は知らない。土はひとりでに実を結ばせるのであり、まず茎、次に穂、そしてその穂には豊かな実ができる。”
 もともと今日の本文は、イエス様がいなくなった初代教会が福音宣教の業に励んでいく中で、迫害と苦難に出会った時に、希望と忍耐を与えるために与えられた御言葉だと言われています。つまり、イエス様は福音伝道について疑いを持っている者に対して、このたとえをもって応えられたのであります。
 神の国は、農夫が種を成長させるのではないこと、農夫が種を蒔いた時から,種の成長は農夫の手から離れてしまいます。種は自ら成長していきます。種の中に潜んでいる神から与えられた命、その凄まじい力は人の思いをはるかに超えるものであることを聖書は教えます。
 この御言葉からわたしたちは、人間の無力さを教えられます。そして、そして、その無力さを知る人だからこそ、神様の驚くべき御業への信頼と信仰へと進むことになることを教えられます。自分の弱さ、自分の限界と無力さを知ることこそ、信仰の成長へと進んでいくことができるのです。皆さんは、いかがでしょうか。
 愛する皆さん、神の国の働きを担う私たちの働きとは、実は、からし種のように大変小さな働きであるということを日々自覚しつつ、主が育ててくださること、私たちの蒔いた種の成長は神ご自身がしてくださることにこそ目を留め、互いに小さな働きを忠実に、謙遜に担っていくということでしょう。
 2013年度の礼拝は今日で最後となります。牧師不在の中でもここまで守られ成長の恵みをくださった神に感謝をささげましょう。また、種蒔きから始まる2014年度の新しい小泉町教会の歩みを恵みの農夫なる神の御手にゆだねることです。未だ成長が見えませんか。命の働きは今も見えないところで続けられていることを覚えましょう。ぜひ、成長を見ることのできる私たちの幸いな一年の歩みとなりますように…。ハレルヤ!