2014.11.9

〜病床からのメッセージ〜
“病院から一歩も出られない私だけれど、体力と精神のかぎりをつくして書いた文字は、文字というより、私の分身のような気がして、それが汽車に乗り、遠いところへ出かけて行くのだと思いながら書いた。       
私の手からも、狭い病室からもぬけ出し、自立し、様々な人の心に飛び込み、自由に旅立っていった。ふるえるくちびるで、苦しみながら描いたものほど、遠くに旅立っていったようだった。・・・”
                      『愛、深き淵より』より・・・星野富弘

 星野富弘氏の詩やエッセイは読む人に大きなパワーとなって迫ってくるような気がいたします。先日、足の手術を受けられたA姉を訪問する際に、このエッセイを読み、大きな感動を受けました。頭を除く全身麻痺という状況の中、星野氏は彼の口で書いた詩と絵の文字が病室から旅立っていく姿を命溢れる描写で表現しています。彼の告白は命の神を知っているからこそできるもので、命の神を知らなければ決して表現できない告白ではないでしょうか。外なる人の衰えを生きながら、内なる人の日々新たにされていく神秘を知っている人の証しなのです。
 A姉の病室に入った時、テーブルの上には一冊の新約聖書が置かれていました。ちょうどわたしが訪問した時にはそばに立っている看護師に「私はクリスチャンで、この方は教会の牧師さんですよ。」と笑顔で声をかけられるA姉が輝いて見えました。病床から放たれる彼女の姿が生きた証しとなって病院の隅々に届けられることを祈りつつ帰ってきました。・・・今あなたの状況はいかがでしょうか。そこであなたはどのような告白ができますか。       
「あなたは証人!あなたの立っている場所がどんなところであっても、神はあなたのすべてを用いられるのです。」