2014.12.07

〜今は泣く時〜
 今月のリビングライフの聖書本文は「哀歌」です。滅ぼされたイスラエルを目の当たりにしながら哀歌の著者は涙を流します。その涙はただ国が滅ぼされたことへの悔しい涙ではありませんでした。自分とイスラエル共同体を同一視して流す涙、特にイスラエル共同体が神に繰り返し犯していた罪のゆえに滅びてしまったことを告白しているのです。私たちは何か問題が生じたり悪いことが起きると、まず責任逃れをしようとし、他のところから原因探しをしてしまう本性をもっています。これこそアダムとエバによって始まった罪の歴史そのものです。しかし神は、少数ではありますが、共同体の罪と問題を自分の罪と問題として受け止め、嘆き、涙を流しながら神の憐れみを乞い求める人たちを起こしてくださいました。旧約聖書の中の預言者たちがそうです。イスラエルの歴史の真ん中に立ち、イスラエル共同体と共に泣き、共に喜び、命をかけて執り成していた人たちが預言者たちでした。そして、私たちの救い主のイエス様がそうでした。
 今の日本の状況はどうでしょうか。政治、経済、社会、国際などすべての面において涙を流し執り成す時ではないでしょうか。衆議院解散と選挙を前にして、国のためにひざまずき祈る人、悔い改めと赦しを求める人が見えない現実ですが、この時期こそ、全世界の人々を救い贖うためこの世に人としてお生まれになった神の独り子の聖誕を黙想しながら、新たな生き方を決心すべき時ではないかと思います。今は共同体のため泣く時、神の光を待ち望む時です。シャローム。