2015.2.8

 2月1日二人目の日本人、クリスチャンである後藤健二さんが殺害されました。悲しみとやり場のない怒りを感じました。1月20日の英字新聞ジャパン・タイムズ朝刊の一面に、安部首相とイスラエル・ネタニアフ首相が二国の国旗を前に共同声明を発表している大きな顔写真が掲載されました。その写真を見た瞬間いやな予感がしました。
 日本YMCAが行っているパレスチナ支援に今後支障が出る可能性があると考え、その写真と記事を赤ペンで囲みました。昨年7月のイスラエル軍によるガザへの集中的な攻撃は、2,000人以上の一般市民の命を奪い、「ホロコースト」を連想させる惨状となりました。その惨劇の記憶が鮮明な中で、イスラエル政府との「同盟」化に政府の情勢把握の貧しさと中東の日本の立場に対する危機感を感じたからです。その共同声明の発表のあった午後、ISISによる拘束された二人の日本人への殺害予告の画像が発信されたのです。
 この10日間二人を救助を祈りつつ、世界のYMCAネットワークを通じて祈りを呼び掛け、また、パレスチナとヨルダンのYMCA指導者を通して、有力者に働きかけることを依頼しました。世界中の多くの人々が祈りの輪に加わってくださいました。特に、ガザで被災者支援をしたユースボランティアからは、日本人の解放を祈っていますというメールが来ました。
 後藤さんは、ジャーナリストとして、報道機関からも見放された戦場の人々、特に子どもたちに寄り添い、恐怖の淵にいる人々の状況を世に発信し続けてきました。まさにイエス様の弟子であろうと行動されました。その生涯を讃えつつ、湯川さんと後藤さんのご家族が神様に慰められることを、お二人の霊が主と共に平安であることを心からお祈りいたします。そして、後藤さんが伝えてきたように、報復による暴力ではなく、対話による平和が生まれることを祈ります。
  
                       −島田 茂兄ー