2015.3.1

〜炊き出しの列に並ぶイエス
 フィリッツ・アイヘンバーグによる作品『炊き出しの列に並ぶイエス』という版画があります。釜ヶ崎の食堂に飾られており、本田哲郎神父の著作「釜ヶ崎と福音〜神は貧しく小さくされた者と共に」の表紙に用いられています。見ていると心に語られるものがあります。
 本田哲郎神父は本の中で「いったい神さまはどちらの側にいるんだろう、炊き出しをする側なのか、それともそれを受ける側か、ということを考え、そして表現しています。普通ならボランティアする側、助けてあげる側、お手伝いする側に、神さまがはたらいておられる、とイメージしてしまう。しかし、彼は『そうではない。神さまはむしろ、手助けを必要とするまでに、小さくされてしまっている仲間や先輩たちと共に立っておられるんだ』と見抜いたのです」と語ります。
 じっと見ていると、少しずつ前に進む炊き出しの列に並ぶそのお方が私の前に来た時、そのお方の足を洗う資格もない自分の偉そうな態度を見ぬかれてしまう眼差しと、主よ、これもどうぞ、あれもどうぞと慌てそうな心が透けて見えるような気がします。・・・寄り添うとは、何かをしてあげればそれで良いということではないですね。そこに目と耳とをしっかり添えて一緒にいることから始まります。 「いてくれてありがとう」を目と耳で伝える作業からはじまるのです。
     〜Facebook より〜