2015.8.2

『 和解の使者として 』(Ⅱコリントの信徒への手紙5:16〜21)

 使徒パウロイエス・キリストを心に受け入れ、キリストと結ばれて生きる人たちを指して「新しく創造されたもの、新しい被造物」であると言います。17節、“だから、キリストと結ばれる人はだれでも、新しく創造された者なのです。古いものは過ぎ去り、新しいものが生じた。”・・・そうです。新しく創造された人たちは、今までの人の判断基準、すなわち、その人がもっているものや、目に見える外的条件、肉の基準で人を測ったり判断したりしません。
本日の聖書の御言葉の中で使徒パウロは、新しい被造物となったわたしたちキリスト者に向けて、「あなた方はキリストの使者である!」という栄誉ある称号を与えられていると教えます。そして、「キリストの使者」がすべきこととして、神と人、また、人と人の間に出来上がっている隔ての壁を壊し、「和解させる任務」があると勧めます。
“和解の使者として生きる。”これこそ、イエス様が山上の説教で語られた「平和を実現する人々の姿」です。キリスト者は、単に「いつも平和に過ごす穏やかな人」とか「平和を愛する人」ではありません。むしろ積極的に「自ら和解の使者としてのアイデンティティーをもって平和を実現していく人」でなければならならないのです。なぜならば、わたしたちの信じているイエス様が命を犠牲にしてまでも神と人との間を、また人と人との間を和解させたからです。
 何の罪も持たない、また罪を犯さなかった神の独り子イエス・キリストは、全人類の罪と分裂、暴力をすべてご自身の身に引き受け、十字架にかかり、贖いのいけにえとなられたのです。そのイエス・キリストの十字架の犠牲によって、わたしたちには、本当の和解、本当の平和が訪れたのです。わたしたちは皆、キリストの十字架の贖いのみ業によって、神との平和に生きる者とされました。その恵みに生かされているわたしたちも、「和解の使者、平和を実現する人」として今を生きるようにと召されているのです。ハレルヤ!