2015.9.13

〜 涙を祈りと愛の手に変え 〜
 世界が涙を流しています。トルコの海岸にうつぶせの状態で打ち上げられたシリア難民の3歳の男の子(名前はアイラン)の遺体の写真画像が公開されたことで、世界は大きな衝撃と激しい怒りに包まれました。世界中の人が涙し、難民への政策を見直すようにと政府に圧力をかけ、今までは難民の救援にぴくりとも動かなかったヨーロッパと世界各国に、悔い改めと政策転換と言った劇的な変化をもたらしたのです。誰が考えたでしょうか。誰が予想したでしょうか。幼い3歳のアイランちゃんの死がもたらした奇跡を。わたしはその死から罪なく十字架の上で死なれた独り子イエス・キリストの贖いと神の涙を見ています。神のビジョンは世界のすべての人が救われ、神の愛と正義が支配する神の国の実現です。今の先進国の後進国へのいじめ、人種による差別、ナショナリズム民族主義)や宗教による争いなどはすべて消え去り、一人一人の命が尊ばれ、みんなが神の国の民であることを喜び合う時が必ずやってきます。
 先週の日本では、台風18号の影響で茨城県や栃木県などでは津波のような洪水が発生し、堤防が決壊し川が氾濫したり、家が流されるなどの被害と行方不明者も多く出ています。テレビを見ていた方々は東日本大震災津波の記憶が甦ってきたことでしょう。大勢の方が避難生活を余儀なくされ、犠牲に遭われた方々の涙は天の御座に届けられ、父なる神も涙しておられます。
 キリスト者の目は自分の周りや自分の国だけでなく、世界に向けられなければなりません。何より、悲しい涙を流す人々と共に涙し、彼らと共に時を過ごしてあげることです。“あなたがたも神に愛されている家族であり、尊い存在である”ことを伝えながら愛の手を差し伸べることです。今こそ、執り成し祈る時、涙を愛に変える時です。シャローム