2015.12.13

『 クリスマスに備える 』(ルカによる福音書1:39−45) 
 アドベントの三度目の主日です。来るクリスマスの日のために、私たちはどのような心の備えをしたらよいか、今日はそれをバプテスマのヨハネの母であるエリサベトから学びたいと思います。  
 クリスマスに関わる人物として、彼女はほとんど目立たない存在です。年老いた彼女が男の子を産むという大事な知らせは、本人ではなく夫ザカリアに与えられました。彼女のその子は、年若きいとこのマリアに与えられたもっと尊い子、救い主・王となる、その子の道を整える役割でした。それでも彼女の信仰は揺らぐことなく、神が自分になさる御働きと自分に求められる信仰を、広い視野で捉え応えていきました。
 エリサベトは、過去・現在・未来における神の臨在に、ラジオや楽器のチューニングを合わせるように、常に自分を合わせて生きました。「過去」に書かれた聖書の預言から、ヨハネとイエス様の誕生に確信をもち、「現在」自分たちのお腹に子供たちがいることを喜び、「未来」にその子たちがどうなるかも受け容れました。聖霊に満たされてエリサベトがマリアに語った言葉は、新約聖書のできごとで人が語った最初の預言者的なメッセージと言えます。
このような信仰をもってエリサベトは人生の大きな困難を乗り越え、救い主の誕生に備える役割を果たしました。
 クリスマスへと一日一刻近づいているわたしたちも、それぞれに困難に向き合っていますし、次々と知らされる国内外の悲しい事件に、やりきれなさを覚えます。暦の上でクリスマスだからといって、それが消えるわけではないのです。しかし、彼女に倣って、忍耐と喜び、信仰への広い視野を持ち、わたしたちがそのお生まれを祝おうとしているその方から頂いた、「平和・希望・喜び」をもって、今年もクリスマスへの備えをいたしましょう。
                      カーソン・フーシー師