2016.4.24

〜 パンを水に浮かべて流す 〜
“あなたのパンを水に浮かべて流すがよい。月日がたってから、それを見いだすだろう。”(コヘレト11:1)
 旧約聖書のコヘレトの言葉です。ここで「パン」とはわたしたちが手にしている持ち物、賜物、働きのことを指しています。すなわち、人が所有していたものを、握り込まないで手を開き、貧しき者、社会弱者、災難に遭った人たちのために放してあげることです。今の世界がここまで弱肉強食と言った競争社会、差別社会になっている理由こそ、“自分のもの”と握り込んでいるからです。主イエスはわたしたちに“あなたの手に握っているものを放してやりなさい。わたしがそうであったように!”と語りかけておられます。人が握っていた物を水に浮かべて流すことで、神はわたしたちの捧げたものを無駄になさらず、やがてブーメランのように、恵みを賜ってくださるはずです。このことは主イエスも言われた言葉です。「受けるよりは与える方が幸いである」(使徒20:35)・・・。
 世界各地で地震や火山噴火などの自然災害に遭い苦しんでいます。熊本地域における今回の地震は今まで経験してきた地震とはだいぶ変わった姿を見せています。これから収束していくだろうか、逆に広がっていくか不安の中で見守っていかなければなりません。今の時、わたしたちに求められることは、持っているパンを恵みの水に浮かべて流すことです。価なく受けた主イエスの十字架の愛に倣い、価なく恵みの水に流すことです。そうすれば、神は人知を超えた祝福をくださることでしょう。今、あなたの手に握られているものを水に流すことはできますか。