2016.5.8

 『世界の片隅で起こる主の癒し 』(使徒言行録9:36-43)

 本日の聖書箇所では、ヤッファの街で亡くなったタビタという婦人の弟子をペテロが訪ね、蘇らせる奇跡が記されています。この話では、服を作ってはやもめたちに与えていた忠実な奉仕者のタビタ、信仰をもって主のわざを引き継いだペテロ、そして神がタビタを助けてくださると堅く信じていたヤッファの教会共同体が出会い、そこに神の癒しの働きが起こります。
聖書では「弟子」と呼ばれるタビタですが、その献身ぶりは街角の小さな教会の中でしか知られていなかったようです。他にも同じように自分が住んでいる小さな場所で我が身を捧げている人々はたくさんいます。ヤッファの教会の姿は私に、自分がこれまで関わってきた諸教会をいろいろな意味で思い出させます。それらは、広く名前が知られてはいませんが、それぞれが置かれた小さな場所でキリストに忠実であるべくひたすらつとめてきています。ごく普通の人々が普通のつとめを果たしている、普通の環境の中でも、みなが神のみわざに対して心を開いているなら、彼らは普通を超えた教会なのです。主の復活のできごとから2000年たった今も、わたしたちはその意味を忘れません。「キリストが今も生きて、世における主の業を続けておられる」という希望を常に抱いて生きる私たちは、「イースター・ピープル」、常にイースターを生きる人々であり教会です。
 タビタ、ペテロ、そしてヤッファの信徒たちが日々行っていたのは病院で患者さんに付き添う牧師さんのような役割で、今では「ミニストリー・オブ・プレゼンス」と呼ばれる奉仕です。「プレゼンス」は「そこにいる」こと、他人とともにいるために自分の時間を使うことです。タビタはやもめたちの中にいて、彼女たちの必要を満たしてあげていました。タビタ自身に癒しが必要になったときは教会の兄弟姉妹が彼女のためにペテロを探しに出かけました。
この教会でも、英会話教室やファミリーキャンプ、教会学校や諸集会、そしてこれから始まる「小さな泉の村」に自分の時間を割いて共に集まるみなさんの活動から癒しが生まれています。一方、誰もがきっとこの教会で自分自身が癒された経験を持つでしょう。神の癒しが世界のこの小さな場所で行なわれている証しをどうぞ他の方に伝え、教会へ誘ってあげてください。
              ローラ・フーシー宣教師