2016.8.7

 今、台北YMCAホテルで原稿を書いています。今回は、YMCAをサポートする国際ボランティア団体、ワイズメンズクラブ国際協会第72回国際会議に出席するために台湾に来ています。ワイズメンズクラブ(通称ワイズ)は、1922年に 米国で誕生して以来、世界各国で数々の奉仕活動を展開してきました。イエス・キリストの教えに基づき、YMCAを支援する活動を通して、宗教の相違を越えて、相互理解を深める世界的友好団体です。活動は、クラブ単位で行われていて、日本では150クラブ2500人、世界では70ヶ国1500クラブで約3万人がボランティアや寄付集めなどの活動をすると共に、地域や国を超えて交流し友情を育んでいます。今回も世界各国から約800人が参加して、各地の情報を交流しています。         
 今、世界ではナショナリズムが台頭し、テロや難民、経済格差や失業等の問題への対応で、各国の国論が二分しています。先週は、日本では相模原市障がい者施設での凄惨な事件があり、ナチスによる優生思想に基づく障がい者虐殺の歴史が連想されました。また、都知事選挙ではヘイトスピーチを繰り返している在特会という国粋主義の団体の代表が知事候補として出馬し、驚いた事に10万票を超える支持を集めました。更に、日本の侵略戦争の歴史を肯定し、軍国主義化を目指している女性議員が防衛庁長官に就任するなど、日本や世界の将来に暗い気持ちにさせられました。                
 この様な時だからこそ、私は、YMCAとワイズの交流活動を通して、国や民族•宗教を超えて人々の理解と友情の輪を広げたいと思います。  私の日本YMCA同盟総主事としての任期もあと8ヶ月を切りましたが、YMCAもワイズもイエス様の教えに倣う組織として拡大するために、残りの日々を精一杯歩みたいと思います。
                  島田 茂兄