2016.8.14

『信仰によって 』 (ヘブライ人への手紙 11;1−3)                                        
 「ヘブライ人への手紙」は、神が織り成す歴史の物語を語り、読者自身が、今その物語の登場人物として生きていることを自覚させます。
 「信仰とは、望んでいる事柄を確信し、見えない事実を確認することです(11:1)」神のみわざは、わたしたちの生きる日々の中で、世界中で現実に起こっています。信仰によってこそ、目に見えない存在―創造主なる神、聖霊からわたしたちに告げられる召し出し、キリストの平和、天地創造までもが、わたしたちにとっては、むしろ最も力強い現実であると理解できるのです。
 信仰とは何かを定義したこの箇所に続いて、聖書に登場する人物が次々と紹介されます。彼らがどのように神に従うことで、見えないものがどのように現実になったか、本人が生きているうちにそれを見ることができるとは限らなくても、その物語が語られます。わたしたちは彼らの後継者、またイエス様の救いの受取人として、今同じ物語を生きています。先の人々の物語に刺激を受け、どこへ進むのかはわからなくとも、神を信頼して導かれるままに行くのです。
 小泉町教会のみなさんと、この三年間共に過ごせたことを感謝します。2010年から派遣に向けて祈り、黙想、訓練、資金の準備をする間、わたしたち二人にとって日本での生活と宣教は、「目に見えない事柄」でした。一方、小泉町教会のみなさんにとっても、金沢キリスト教会との、この協働プロジェクトのために共に祈り、忍耐強く待ち、御声に耳を傾ける間、宣教師が誰になるか、どんな働きになるのかは目に見えない事柄でした。2013年の11月、わたしたちとみなさんはとうとう顔と顔を合わせて会い、お互いにとって見えなかった事柄が現実となり、信仰の現実を生きる日々が始まりました。わたしたち二人の物語と、小泉町教会の物語が紡ぎ合わされて、旧約から新約、さらにキリスト教会の歴史へと進み、今日へ至る大いなる神の物語の、小さな一片を形造ったのです。
 「信仰によって・・・」で始まるわたしたちの信仰の物語を、常に思い出して参りましょう。これからもわたしたちは、信仰によって生きる中で、神の物語を続けていくみなさんのために祈り、励まし続けます。      
                 カーソン&ローラ・フーシー宣教師