2016.10.23

〜 時と働き人を見極める 〜
 “かつてないほどの、嫌われ者同士の戦い”とも言われているアメリカの大統領選挙も、いよいよ大詰めを迎えています。世界一の影響力をもつ国の大統領選挙ということもあって、世界の注目が集まっています。しかし、私が注目したところは、アメリカのキリスト教倫理(プロテスタンティズム)の崩壊についての危惧です。ピューリタン清教徒)たちによって建てられたアメリカの歴史は、キリスト教の信仰と聖書倫理に基づいて成り立ったと言っても過言ではないでしょう。しかし、時の流れと共にキリスト教信仰と倫理が薄れてきていて、近頃のアメリカの現実は、旧約聖書預言者による裁きのメッセージが適用されてもおかしくないような気がするのは、私だけでしょうか。その確かな根拠として挙げられるのが、共和党の大統領候補にドナルド・トランプ氏が選ばれたということです。
 共和党の最大の支持基盤となっているのは、福音派エバンジェリカル)と言われるキリスト教会です。聖書を忠実に生きようとする保守的立場に立っている群れです。そのような共和党が選んだ候補が、信仰的・倫理的にあまりにも問題を多く抱えているトランプ氏だったのが驚きでした。口を開くと、絶えず嘘をつき、弱者への配慮、差別発言、あまりにも軽々しく核戦争のことを口にし、最近は性的スキャンダルが絶えない人、むいてもむいても玉ネギのように問題が出てくる人を、共和党の教会とクリスチャンたちが選んだのです。彼らは「現役政治家への不信、成功した実業家への漠然とした期待など」の理由で目をつぶったのです。トランプ氏を選んだキリスト教会と信徒たちに、神はどう語られるだろうか・・・。ローマ法王がトランプ氏を指して、“彼はキリスト者ではない。”と語ったことを覚えつつ、アメリカ大統領選のために祈りましょう。また、アメリカのキリスト教会とクリスチャンたちの変革を祈りましょう。