2017.5.21

『日から日へ、良い知らせを告げよ』詩編96:1〜13)                       
 神が造られた人間の生きる目的は、神を讃美することです。本日、私たちに与えられている詩編96編の詩人は、全世界の人々を、神を賛美する場へと招待しています。そして招かれた人々が備えるべきものは、「新しい歌」を歌いながら御前に進み出ること。聖書の中の「新しい歌」は、新しく作った歌の意味より、神様との新しい関係による、新しく神を知ったことへの心からの歌のことを指しています。
 信仰生活とは昨日食べていた料理を温めて食べるようなことではありません。いつも新しい霊の糧を感動と感激をもって食べて生かされるものです。神からくる恵みは日ごとに新しいもの。今現在私たちが味わっているもののうち、当たり前であることは何一つありません。私たち皆は常に新しい神の愛ゆえに生かされているのです。
 本文の1〜3節の原文を見ると、命令形の言葉が7回登場します。“歌え”と言う言葉が3回、“御名をたたえよ、日から日へ、御救いの良い知らせを告げよ、国々に主の栄光を語り伝えよ、諸国の民にその驚くべき御業を語り伝えよ。”という命令形がそれぞれ一回ずつ登場します。また詩人は、私たち人間はこの地に両足を付いて生きている存在ではあるが、絶えず天を向かおうと、天を見上げようと勧めます。古代世界の人たちが北極星を見上げながら、自分の進むべき道を歩んだように、今日の私たちも天を仰ぎ見ながら、神に愛されている者として新しい讃美を歌う人生を生きなければならないのです。
“国々にふれて言え、主こそ王と。世界は固く据えられ、決して揺らぐことがない。主は諸国の民を公平に裁かれる。(96:10)”
 そうです。神は世界を支配されるお方、決して揺らぐことがないように、しっかりと支えられ、やがて世界を支配されるお方なのです。そのことを世界の指導者たち、諸国の民たちは忘れてしまい、自分勝手の道を歩んだがために、今の世界が罪と悪に満ちていることを覚えます。求められるのは、神の主権と支配を認め、そのことを喜びと感謝をもって生きることです。常に、創造者であり世界を治めておられる神を意識して生きるのであれば、今の世の欲望やこの世における見えるもの、見える力中心の価値観に引っ張られることはないでしょう。皆さん、忘れないでください。私たちの神は私たちの歴史を裁かれるために近づいておられるということを!やがて来られ、私たちの世界を正義で裁かれ、真理と正義をもって世界を治められることを!
 私たちの讃美は、生きておられる神、世界を創造され、支配しておられる神、私たちの罪を贖うために独り子なるイエス・キリストを贈り、私たちの身代わりとしてくださった神の愛のゆえに、また、今も私たちの傍らで、神の子どもたちを守り導かれる神への信仰の現れであって、この信仰からくる感謝と感動に満ち溢れる人が新しい歌をもって生きることになりますし、賛美をもって日から日へと、御救いの良い知らせを告げる人に変えられるのです。ハレルヤ!