2017.12.10

   〜 一人の小さな兄弟との再会 〜 
“『はっきり言っておく。わたしの兄弟であるこの最も小さい者の一人にしたのは、
わたしにしてくれたことなのである。』(マタイ福音書25:40)”

 12月2日(土)、「小さな泉の村」の一年間の歩みを恵みのうちに終えることができました。神は小さな私たちの群れを通して暗闇の世界に小さな光と愛の手を差し伸べるようにと「小さな泉の村」という場を与えられ、2年間の歩みを恵みで満たしてくださいました。とりわけ富山ダルクの方々、ボランティアの方々との出会い、何より利用者の方々との交わりは大きな恵みであり感動でした。最初はいろいろと不安や心配もありましたが、神の家族の祈りと協力の中で徐々に力をつけるようになり、ボランティアの方々と利用者の方々との関係が深まり、信頼の中で喜びに溢れる会になってきたことを嬉しく思います。すべては神の恵み、神の導きでした。
 さて、その2年の間、とりわけ積極的に参加してくれた一人の兄弟のことを覚えます。O兄は小柄で弱そうに見えますが、毎回誰よりも早く集い、ご飯を炊き、料理を作ることに誰よりも熱心です。最初の頃は少し照れるような姿でしたが、会を重ねるに連れ、優しい笑顔が見られ、誰よりも小さな泉の村を愛し、積極的に集うようになりました。O兄は、他の人には“私の居場所は小さな泉の村だ!”といい、胸を張るほど私たちとの交わりを喜び、誇りとしていたと聞きます。そんなO兄でしたが、ここ2ヶ月の間突然来なくなりました。住所も分からず連絡手段もないので、みんなは“何か事故でも遭ったのか、どこかで倒れたのではないか”と心配しながら待つしかありませんでした。
 しかし今回、今年最後の小さな泉の村を楽しく過ごしている途中、突然O兄が現れたのです。“実は、2ヶ月前に手術を受け、一昨日退院したんだ。ずっと小さな泉の村に参加したかったけどできなかったんだ。”と笑みを浮かべながら自分の家に帰ってきたような安心感に包まれていました。その姿からイエス様の笑顔が見えていました。