2018.5.6

〜「わたしが悩むときも」に寄せて〜
 新生讃美歌552番「わたしが悩むときも」は、毎年4月の教会の定期総会の最後に全員で歌う曲でもあり、信仰に立つ平安を歌う歌詞に安らぎと励ましを受ける方も多いと思います。
 この詞のオリジナルは19世紀、スウェーデンの讃美歌の作詞家リナ・サンデルという女性によって書かれました。ルター派の教役者であった父親が船舶事故により、彼女の目の前で溺死するという悲劇に遭いましたが、その数年後にこの歌詞を書き、日々の信仰に心を支えられてきたことを詞に告白しています。原題は「今のこの日を」。新生讃美歌の訳詞では「信じて私は今・・・この日も過ごします」というところにその意味が良く表されています。
 作曲者オスカー・アーンフェルトはスウェーデンの作曲家で、自ら10弦ギターを抱えて国内を旅し讃美をする中、この曲を広めました。彼らの曲は普通の個人の心の信仰を歌ったものなので、当時権威を重んじていたスウェーデンの教会には好かれませんでした。しかし国王のカール15世がアーンフェルトの歌と演奏に涙し、国内のどこででも自由に歌うことを許可しました。
 世界的にはジェニー・リンドというスウェーデンのオペラ歌手がアメリカで公演したときこの曲を広め、英語に訳されました。エピソードも恵み溢れる讃美歌です。          週報係