2018.11.4

『 教会の約束 』〜バプテストの信仰〜 (Ⅱコリントの信徒への手紙11:25)
 「わたしたちは、神の恵みによって、イエス・キリストを主と信じ、バプテスマを受けて、主の教会に加わったので、聖霊の導きによって、喜んで互いにこの約束をいたします。」・・・「教会の約束」の最初の部分です。
 この「教会の約束」は多くのバプテスト教会が定期的に唱和しながら確かめている約束文です。私たちの教会も数年前までは、月一度主の晩餐式の時に「教会の約束」を分かち合ってきました。なぜ主の晩餐の席で「教会の約束」を分かち合えるようになったのかというと、主の晩餐の席で主イエスが弟子たちと交わした「新しい契約」に倣い、バプテスト教会の信徒同士が主イエスの十字架の前で新しい契約を結び、主に喜ばれる教会を形成しようとする狙いから始まったことでしょう。
 バプテスト教会は、17世紀にイングランドの国教会の宗教改革の過程で、イングランド国教会の改革に反抗し彼らから分離してオランダに逃れていった人々によって始まった群れです。その指導者とされているのが、「ジョン・スマイスとトマス・ヘルウィス」です。彼らは、「人は、イエス・キリストの恵みを信じる信仰によって救われる。信仰と教会の基盤は聖書のみ」という、自覚的な信仰告白に立ち、「幼児洗礼」を否定し、自覚的な信仰告白に基づいて再び、バプテスマを施さなければならないとしました。この群れをアナバプテストと呼びます。「アナ」とは「再び」という意味ですから、アナバプテストとは“再びバプテスマを授ける者”です。こうして、オランダのアムステルダムで1609年、スマイスを中心にバプテスト教会が始まったのです。
 初期のバプテスト教会は、聖書を学び、発見した事を即実践していく、徹底的に聖書に基づいて生きる群れでした。また、ただ信仰を告白し、バプテスマを受けた信仰者の集まりにとどまることなく、一つの「契約共同体」を形成し、全ての構成員が契約のパートナーとしての自覚と責任をもって集まる群れとなることを大切にしていたのです。私たちキリスト者は、神様の恵みによって、ただ、主イエスを信じる信仰によって救われました。ですから、もはや救われるために、よい行いをする必要はありません。これが私たちの信仰の大前提であります。しかし、その尊い神様の恵みを、お互い確かめ合って励みとするために、救われて教会員となった者同士が一つの契約を結ぶことが求められるようになり、そこで大切に告白されてきたのが「教会の約束」だったのです。
 「あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい。彼らに父と子と聖霊の名によってバプテスマ(洗礼)を授け、あなたがたに命じておいたことをすべて守るように教えなさい。わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる。」(マタイ28:19〜20)・・・イエス・キリスト至上命令です。互いに救われた者、主イエスの弟子として、主の御言葉に忠実に生きる群れこそバプテスト教会であることを心に刻みつつ、神の国を拡げていく小泉町教会のお一人お一人でありますように・・・。ハレルヤ!