2018.12.16

 『 イエス、わが王 』ヨハネ黙示録1:4〜7)
 いよいよ富山の冬が深まっている週末です。とりわけクリスマスの季節を過ごす神の家族と共に、クリスマスの主人公であるイエス・キリストを迎える備えができているかを確かめたいと思います。
 ローマ帝国の支配の最中であったA.D.1世紀頃の地中海地域は、キリスト者キリスト教会においては悲惨、そのものでした。あの有名なネロ皇帝の迫害から、その後続く皇帝たちによる迫害で多くのクリスチャンが命を失い、追放されていきました。使徒ヨハネもその一人でした。そして、今もヨハネはパトモス島に捕えられ、厳しい生活を余儀なくされていたのです。・・・しかし、そのような苦難もヨハネの信仰を折ることはできませんでした。ヨハネの目に映る、世界の支配者、世界の真の王はローマ皇帝ではなく、万軍の主、永遠なる神こそ世界の支配者であるという事実が揺れることはありませんでしたし、またそのことを人々に絶えず証し続けていたのです。本文の聖書箇所はそのような背景から読むべきであると思います。
4−5節の中でヨハネは神について、“今おられ、かつておられ、やがて来られる方”と表現します。普段だったら「過去、現在、未来」の順で表現するのが一般的です。それでは、なぜヨハネは時間の順序を替えたのでしょうか。それは、神の永遠の現在性を強調するためであったと思われます。すなわち、今という時は、迫害の時代、希望の見えない時代であるけれども、神の支配は今もなお続いているという信仰を表すためでした。そうです。神の、神の民への関心事は、「今」という時間を充実に生きることです。“今この時に、神は生きておられ、神の民と共におられる”ということです。過去を生きた人々の「今」を共に歩まれ、未来に生きる人々の「今」を支配しておられるお方。そしてまさに今という時を過ごしている私たちと共におられるお方。主イエスが私たちに関心をもっておられるのは、過去でもありませんし、未来でもありません。今なんです。あなたの「今」に主イエスは焦点を合わせて見ておられるのです。そしてその「今」というあなたの人生の時、主イエスはあなたの「王の王」になることを望んでおられるのです。
 続けてヨハネ、「更に、証人、誠実な方、死者の中から最初に復活した方、地上の王たちの支配者、イエス・キリストから」…と記し、主イエスを証人であると、しかも誠実な証人だと告白します。そして、死者の中から最初に復活した実としての主イエスを、地上の王たちの真の支配者であると紹介します。ヨハネは、主イエスが再び来られる時、この世界の王たちを主の御前にひざまずかせ、すべての力ある者を裁かれると宣言しています。
 神の家族の皆さん、信仰によって生きるということは、私たちの人生にやって来られる主イエスを王として迎え入れ、王なるイエスを見上げつつ、今を生きることです。ですから、王なるイエスに従う人の生き方は、この世の中に生きてはいますが、この世に属していない人になります。この世の価値観にとらわれず、いついかなる時も、王なるイエスと相談しながら従順に従い、神の国の民としての価値観に生きる人になるのです。ハレルヤ!